韓国庭園は無い1


韓国には独自の庭園様式がない。こういえば必ず韓国人は反発する。しかしでは何が韓国独自の庭園様式なのかと問えば明確な答えは返ってこない。それでも問い続ければようやくこんな答えが返ってくるだろう。「瓶置き場と煙突」もう少し知識のある韓国人ならこれに「階段状花壇」というのを入れてくる。


寒冷で乾燥した気候の朝鮮では家の外にみそやキムチの漬け物の瓶を並べておく。それが「瓶置き場」である。そして「煙突」というのはオンドルの煙を出す煙突で、それを家の裏手に作る。確かにこれらの物は韓国独自であると言える。しかしよく考えてみれば瓶も煙突もただ外に有るというだけで別に庭園のための様式ではない。これらは生活のための設備である。


唯一庭園の設備らしい物と言えば「階段状花壇」であるが、これも実は庭園の設備ではない。韓国には庶民独自の文化という物があまり発達しなかったので、韓国人が韓国文化を語るときそれは韓国の貴族層である両班の文化である。両班の住居というのは風水的に良い地形と言われる南向きのなだらかな傾斜地に作られる。そのため家の裏手が住居より高くなるので雨が降ると土砂が家に流れ込んでくる。それを防ぐ土留めが階段状になっている。これが「階段状花壇」の原型である。だからこれも厳密に言えば庭園様式ではなく住居の付帯設備である。


そしてこれらの物はいずれも様式を示しているのではない。例えば日本庭園なら回遊式庭園とか池泉庭園、枯山水庭園、茶庭(露地)などそれぞれ独自の様式をいくつも思いつくことができる。そういう明確な、これが韓国独自の庭園様式であるという物が存在しないのである。


韓国に旅行したことのある人なら、ソウルにある宮殿には庭園が有ったじゃないかという人もいるだろう。しかしそこに韓国独自と言える様式は発見できただろうか?さらに言えば宮殿には庭園は有ったが、宮殿以外の韓国の歴史的な住居にはそもそも庭園と呼べるような物は有っただろうか?



実は韓国の貴族層である両班の住居には日本の古民家でも普通に有るような、日本人がイメージするような庭園と言える物はない。住居を建てるときに風水的に良い地形を選ぶので、住居の敷地の中に整備された自然を持ち込むという発想がなかったからである。


だから韓国人も最初からこういう説明をすればいいのだが、日本に有る物は必ず韓国にもなければならないという、とにかく日本に対する対抗心が強いうえに、日本の独自の庭園文化が世界で高く評価されているから韓国は日本より高く評価されななければ気が済まないのでなおさらないとは言えなくなっている。


問題は韓国人が単に日本に対抗上そういっているのではなく、「日本に有る物は必ず韓国にもあるはずだ、韓国の方が優れていなければならない。」というのが単なる観念を超えて韓国人の揺るぎない信念にまでなっているから、現実を無視して本気で韓国庭園は有るはずだと思い込んでいるところである。