さすがパフォーマンス上手の小泉首相、このシーンが世界中に配信されれば、友好的な態度を示している日本に対して強硬で頑な中国という構図が印象づけられる。


ところがこれを報道したNEWS23の報道姿勢は、筑紫氏の現地リポートでは「このパフォーマンスをされた温家宝首相は気分が悪いだろう」とか、「所詮は国内向けの効果しかないな」ど相変わらずのネガティブ報道である。また別の記者は個人的憎悪の感情丸出しで、「日中首脳会談ができない小泉首相は首脳としての資格が有るのかアジア諸国から疑問の声が出てきている」と解説していた。


筑紫氏一人が偏っているというよりスタッフ全体の意識が特定の方向に偏っているらしい。


その他にも東アジアサミットを取材にきていた各国メディアにインタビューし、『日中関係の悪化とその原因が日本に有ることを、いかに多くの世界のメディアが批判しているか』を見せようとしていたが、いかにもTBSの主観に添うような発言をしそうな国のメディアばかりが出ていたところが、今時こんな手法で視聴者の印象操作ができるのかという感じで、かえってTBSの邪悪な編集操作にあきれてしまった。


ネットができる以前、一般市民の情報源がテレビか新聞に限られていた頃にはこういう手法が有効だったんだろうと思うと、複数の情報源を比較検討することのできる日本の現状のありがたさが身にしみてくる。反対にネットが検閲される中国などでは共産党による情報操作が今でも確実に市民感情の形成に有効に機能しているのだろうと考えると、これもまた恐ろしいとでは有るが、こういう中国の現状をいっさい批判すること無く一方的に日本を責め続ける筑紫氏とTBSの姿勢はいったいどんな思想に基づいているのだろうかと思うと、こういう勢力が牛耳っている日本のメディアの現状が不安に思えてくる。